確かに会社構造がしっかりすればするほど下の人間にできることは少なくなっていくのですが。
それでも下が元気でないと上もしっかりしません。
と言うことでやる気が出る3冊を。
1. 戸部良一ほか「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」
2年前に今更のように話題になり、入門書などが発売されたこの本。
情緒的なところは一切捨て、あくまで組織論的に敗戦(各戦闘における戦略レベルでの失敗)の要因を追った本。
状況を把握し、それに対して分析を行うと言う構成はとても理解しやすい。
特に組織構造がしっかりしている大企業ではこういう状態に陥りやすいのではなかろうか。
(現代の日本の官僚組織も含め)
実際に大きな犠牲を払って失敗した事例から得られる教訓は多い。
2. 三枝匡「V字回復の経営」
これは数年前に読み、とても納得させられた本。
ある大企業における1つの事業を巡るV字回復の軌跡の実話を、他企業の事例も含めながら綴った物語。
著者も言っているように、マネーゲームによるV字回復(株価、株主など)は含まれていない。
あくまで企業としての地力を元に立て直そうとする姿勢は、モノづくりで立国しようとしている日本に合っていると思う。
読んでいて元気になれる1冊。
3. 藤沢武夫「経営に終わりはない」
私の座右の書。藤沢武夫氏はホンダの元副社長で本田宗一郎を経営面で支えた人物。
経営書というわけではなく、彼が歩んだ本田宗一郎との二人三脚の日々が描かれている。
ただ、その中でも経営の視点が鋭く描かれており、示唆を与える部分も多い。
情緒的な部分だと社長、副社長が同時に退任することになったときの一節は何度読んでも泣ける。