読めば泣ける一節。

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座右の書、という言葉が正しいかどうかは分からないが、私にとっての座右の書は藤沢武夫「経営に終わりはない」だ。
藤沢武夫氏は本田技研工業の副社長として本田宗一郎を経営面から支えた名参謀。
技術の面から突っ走る本田社長がいつまでも突っ走れるように、資金調達や会社の仕組み整備などに尽力した人だ。

そんな彼の著書であるこの本の最後の一節は、いつ読んでも涙を誘う。

その後、顔を合わせたときに、こっちへ来いよと目で知らされたので、私は本田の隣に行きました。

「まあまあだな」

「そう、まあまあさ」

しかし、実際のところは、私が考えていたよりも、ホンダは悪い状態でした。もう少し良くなったところで引き渡したかったのですが。

「ここらでいいということにするか」

「そうしましょう」

すると本田は言いました。

「幸せだったな」

「本当に幸福でした。心からお礼をいいます」

「おれも礼をいうよ、良い人生だったな」

それで引退の話は終わった。

(藤沢武夫「経営に終わりはない」 p.227より)

これを読むたびにいつも思う、「会社を辞めるとき「幸せだった」と言える毎日を送っているか?」
日々後悔の連続ですが、後悔から一歩前へ進むことのできる人生を送りたいものです。