Y150へのエクスキューズが気になった

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中田宏「政治家の殺し方」を読んだ。買ったのはだいぶ前だったのだが、ようやく読めた。
私は著者のイメージが「歯に衣きせぬ物言いをする元気な市長」だったので、いつの間にスキャンダルに巻き込まれていたんだろう、と思っていた。
(というか、スキャンダルの渦中にいることを知らなかった)
読んでいて結構エグいことをされていて、よく抗ったなぁと思ったのだが、Y150の話のところだけ少し気になった。
開国博Y150は横浜港開港150周年を記念した博覧会だが、有料会場については当初計画の500万人には大きく届かず124万人弱で、約25億円の赤字になったという。
確かに、別の目標である観光客5000万人という目標に対して5428万人に達したことは結果として評価すべきものだと思う。
しかし、そもそもの「計画した」有料会場への入場者数が全く届いていないことに対する記載がどうも言い訳がましく読めて仕方がなかった。
また、市長の責任と書いているのだが、残念ながらこのY150が終わる頃には著者は市長を辞任している。
横浜市民ではないので本書に記載されている「我がまちへの愛着や誇りを高めることが今日的な目的で、その効果は確かにあった」かどうかは分からないが、少なくともY150の総括(金額的なものも含めて「仕方ない」ではなく建設的な方向で)に著者が参画したのかが気になる。
# もししていないのであれば、「投げ出しだ」と言われても仕方ない気がする...

ネット選挙が解禁されるかどうかが話題になっているが、政治家の業績をまとめたもの(本人でもいいし、第三者でもいいと思う)をもっと公開した方がよいと思う。
お前今まで何してきたの?」という人がとても多い。
地方の首長が赤字を黒字に転換させたことも立派な業績だと思う。
もちろん、政治家になる前の(例えば経営者としての手腕など)キャリアをきちんと評価した方がよいと思う。
# 残念ながら今の選挙では現職が何であるか程度しか分からない
自分の街の候補を選ぶにしても、選択肢が少なすぎるのではないだろうか。
今後そういった方向に著者も含め進めていってくれることを望む...。
それによって、スキャンダルに巻き込まれたときにも、ある程度有権者のフィルタが変わる気がするのだけど。